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出玉で稼働は上がりません!パチンコホールの大きな勘違い8選

パチンコ・スロットの稼働は出玉を出した所で、新台を多く導入した所であがりません。

なぜなら、それらに需要が無いからです。

お客様に喜んでもらう為、そして今後の稼働に繋がる為にと考えて手を打ちますがお客様には響かず、利益の確保にも苦しんでいると思います。

今までの稼働が一向に上がらない営業続けますか?おそらく環境のせいにして新しい事にチャレンジする気も生まれていないのではないでしょうか。

私はパチンコ店で約25年勤務した経歴があります。

1995年(おそらくCRばかづき浜ちゃんの強制撤去の時期)~2022年くらいまでです。

この間、一般社員から営業部長まで務めた経験があり、ホールの成績を上げたりも下げたりもしました。

現在は他業種ですが、パチンコ業界のニュースを見たり、聞いたりしているとどうにかしたいという思いでこのブログを始めました。

今までのパチンコ業界の営業方法ははっきり申し上げて逆効果であり、その原因はホールの勘違いにあります。その勘違いを順を追って詳しく解説します。

1 稼働はアウトではなく客数です!

【稼働】という言葉を使う時は、主に実際にお客様が遊戯した玉を表すアウトを指していると思います。

確かに間違いではありませんが、稼働=アウトと捉えている場合、稼働を上げる=アウトを上げるという考えになってしまいます。

ここで考えてみてください。

アウトを上げるという事は、お客様の遊技時間を長くするか客数を増やすかの2つです。

皆さん、お客様の遊戯時間を長く出来ますか?

自分がお客様としてホールに遊びに行った時、ホールに自分の遊戯時間をコントロールされていますか?

そんな事はないはずです。

お客様も同様に用事があれば遊戯を辞めるし、お金が無くなれば殆どの人は帰るというように、遊戯時間のコントロールは非常に難しく無理があります。

では稼働=客数と捉え、客数が増えた場合、【客数増=アウト増】は確実に成立しますね。

一人一人のお客様をコントロール出来なくても、客数が増えれば確実にアウトは上がる。

従って、稼働を上げよう=客数を増やそうという事になります。

この考え方一つでやるべき事が多少なりとも変わってきます。

まずはこの稼働=客数と認識をしっかり持ちましょう。

2 アウトとはBOとTO BOを上げよう!

アウトとはお客様が遊戯した玉数、アウトBOXでカウントされた玉数です。

私が若い頃、『アウトが上がれば全ての問題は解決する』と教えられました。

実際アウトがあがれば何もかも良い方向に進みます。

しかし、アウトの本質を見なければ全てが悪い方向に進みます。

本質とは、アウトは【総BOと総TOを足した数値】という事です。

BOとはダイコク用語でベースアウトでパチンコ台(スロット台)の通常時の平均アウト数です。BOに特賞回数をかければ総BOなります。

TOとは特賞中アウトでパチンコ台(スロット台)の大当たり中、確変中、時短中の平均アウトです。TOに特賞回数をかければ総TOです。

アウトをわざわざ分けて考える理由は、よく言われるアウト病にかからない為です。

そもそも、アウトを上げる目的は利益を上げ続ける為ですがアウトとは何なのか、なぜ上げなければいけないのかをきちんと理解しない人たちが多く、その人たちがアウトを上げる為に何をするかというと、BOを下げてTOを増やす事を行っているのです。

具体的にはスタートを回す、T1O(大当たり出玉)を増やす、ベースを増やす、確変ベースを増やす等のいわゆる【開ける】事をします。

開ければもちろんBOは減り、TOは増えます。利益を確保する為にはBOを上げなければならないのに、とにかく【アウト】を上げようと利益を使ってTOを上げる事しか考えないのです。絵にかいたような本末転倒・・・

アウト病にならない為に、アウトを上げる=BO(総BO)を上げると覚え、更にBOを上げる為には『1稼働=客数です』でお話しした客数を上げる事を考えましょう。

あわせて読みたい(中央値)

3 割数はアウトに影響しない

日々の営業で割数を気にしない日はないのでしょうか。

例えば、『今日は12割か。赤字だな~』『今ちょうど10割。閉店までには下がってくれ~』『明日は8.5割で調整しよう』等 必ず見聞きすると思います。

しかし、実際は割数はアウトには全く影響しないのです。

まず、割数がアウトに影響すると考える原因は、今までの経験が大きいのではないでしょうか。

今までの経験とは、パチンコ業界が何もしないでも賑わっていた時代です。

この時代は遊戯人口が多く、何もしないで利益が取れる時代でした。従って、よりよくしようとした時に目を向けるのは他店舗です。

他店舗よりいかに回すか、玉を見せれるか、いかに煽れるかを考えていた時代です。

この時代の人たちが指導してきた結果だと思います。

時代と環境が変わっていくにも関わらずこのような指導を受けていた人たちはそれが正しいと考えます。

割数が稼働に影響すると考えた場合、

割は高くて稼働が良い
割は低いが稼働が良い
割は高いが稼働は悪い
割は低いが稼働が良い
営業数値は基本このどれかに当てはまります。

この状況を見て考える事は、

稼働が良い理由は? → 割が高いから(玉が出ているから)
稼働が悪い理由は? → 割が低いから(玉が出ていないから)
稼働が良い理由は? → 割が低いから(玉が出なくてお客様が粘っている)
稼働が悪い理由は? → 割が高いから(出ているお客様だけ残っている)

どの考え方をとっても矛盾する考えも存在するので正解は無いのです。

正解が無いという事は、割数は稼働に影響しないという事です。

この事実を勇気を持って、認めましょう。

(割数が稼働に影響しない理由を数字で証明)

4出玉で稼働は上がりません。

稼働を上げる為に玉を出しますがこれは大きな間違いです。

理由は、【出玉=割数】だと勘違いしているからです。

割数は稼働に影響しません。

それは出玉=売上と捉える事です。詳しく解説します。

景品出額で分かる、出玉の金額

景品出額とは、出玉を金額に置き換えた数値です。
計算式 売上×割数÷10=景品出額
(割数を1/10にして、÷10を省略しても可)

景品出額という言葉は一般的にパチンコ業界で使われているのか、大都販売の用語なのかは分かりませんが、この景品出額で【出玉感】を表す数字です。

お客様はもちろん玉が多く出ているホールに惹かれているという事は否定できません。

だからと言って実際に玉を出したのに客数は増えない、アウトも上がらないといった事は無いでしょうか。

それは景品出額が小さいという事が原因の一つです。

下記表をご覧ください。

台売上割数景品出額
A店10,00015割15,000
B店20,00012割24,000
C店30,0009割27,000

貸玉4円 10割分岐の場合、
A店は15,000円分の出玉感で▲5,000円の赤字
B店は24,000円分の出玉感で▲4,000円の赤字
C店は27,000円分の出玉感で+3,000円の黒字
※粗利=景品出額-台売上

A店はいくら割数が高くても出玉感はB・C店舗に及ばず、B店はC店に及びません。

A・B店はC店に勝つ為に、また稼働を上げる為にこの割数で営業を続けられますか?

弱い店舗がいくら割数を高く設定し営業しても出玉感は小さく、お客様には響かず、強い店舗の出玉感に敵わないのです。

このように稼働を上げる為に必要なのは出玉ではなく【出玉感】であり、その出玉感を上げる為には売上が必要で、売上を増やす為には客数が必要になってくるのです。

一度自店の景品出額を出してみてはいかかでしょうか。

※貸玉4円 2.5円交換の場合
台売上30,000 割数12割の場合
30,000×12÷10×0.625=22,500円 となります。
0.625=交換金額÷貸玉金額

出玉イベントはどうでしょう?

出玉イベントを行うホールはまだ多いと思います。しかもどうにか警察に突っ込まれずに、ばれないように、イベント内容をぼやかし、隠語を使い宣伝しているホールもまだあるかと思います。

愚の骨頂としか言いようが無いです。理由は以下の通り

  • イベント当日のみ客数は増え稼働は上がるが今後に繋がらない
  • イベント当日は俗にいうイベント荒しだけが美味しい思いをする
  • 利益の回収は常連に頼るようになる
  • 客数増→売上増→割数増→景品出額増→赤字額増

弱いホールほど出玉イベントに費やす全てが無駄です。

ホールの皆様は恐らく気付いていると思うのですがいかかでしょうか?

景品出額はお客様を見ても分かる

お客様の中で、『このお客様は毎日出してるな~』と思われているお客様はいませんでしょうか?

この毎日出していると思われているお客様こそホールの景品出額を上げて印象を良くしてくれているお客様です。

仮に毎日出しているお客様をAさん、一般的なお客様をBさんとして

Aさんは10万円使って8万円出します。収支は▲2万円です。
Bさんは2万円使って1万円出します。収支は▲1万円です。

この時、周りのお客様はどのように見るでしょうか?

恐らく、Aさんの事は店員や他のお客様と一緒に、『またあの人出してるね』と若干悪意ある会話をしている、若しくは羨望の眼差しで見ていますがBさんとは傷を舐めあってます。Aさんの方が多く負けているのに・・・

この羨望の眼差しの理由こそ景品出額にあります。

周りはAさんとBさんがいくら使ったかは分かりません。

しかしAさんの8万円分の出玉とBさんの1万円分の出玉は見て比べています。この出玉の多さでAさんは必然的に勝ち組に分類されてしまうのです。

またAさんとBさんのタイプも正反対です。(ここは個人の感想です)

Aさんはたとえ10万全て負けても、店員には笑顔で『10万負けちゃった』など終始愛想は良い、もしくは黙っていつの間にか帰ります。
遊戯する機種は荒い機種を好む(景品出額は大きくなりやすい)

Bさんは2万全部負けたら店員や他のお客様に『この店全然出ない・回らない』など文句言います。好む機種は甘デジやスロットのAタイプ等当たりやすい機種(景品出額は大きくなりにくい)
という傾向が見られると思います。

景品出額がお客様に影響を与えている証拠だと思いますがいかかでしょうか。

景品出額をホール単位で考えた場合


景品出額をホール単位でも考えましょう。

台売上売上割数景品出額粗利
客数100名20,0002,000,0009割1,800,000200,000
客数200名20,0004,000,0009割3,600,000400,000


Aさんのようなお客様は少ないと思うので、Bさんタイプが倍増えた場合の数値です。
単純に200名に増えた場合、ホールにとっては同じ割数でも粗利は倍になり、お客様も実際に使う金額は変わらないのですが出ている玉が倍見えて、出玉感が上がります。
このように、今までの出玉=割数という考えでは釘を開けるだけ、設定を上げる事になり、稼働も上がらず悪い事しかありません。

このように稼働を上げる為、客数を上げる為に必要なのは出玉ではなく、【出玉感】であり、【出玉感=景品出額】→【景品出額=売上×割数】、割数を上げても意味が無いので売上を増やそうという事になります。

5施策の勘違い

ホールでは日々稼働を上げる為に様々な事を行っていると思います。
・新台、中古台入替
・いろいろなイベント
・リニューアルオープン
・低貸の導入
・換金玉数の変更
・機種配列の変更
・接客の強化
こんなところでしょうか。
これで稼働は上がりましたか?
上がっていないホールが殆どではないでしょうか。
原因はただ一つ。

需要が無いからです

この一言で片づけてしまうのは心苦しいのですが事実なので受け止めてください。
その時その時はお客様もたくさん来てくれますが後に続いていないはずです。
無駄な投資は辞めて、正しい投資をしましょう。

6PDCAサイクル

PDCAサイクルという言葉は良く聞くと思いますが正確に出来ていますか?
一度、PDCAサイクルをより良くする為に、Cチェックを見直してみてください。
もちろん全てが重要ですがパチンコ業界の中で一番重要であり且つ疎かになっている事だと思います。理由は数字が弱い・見てない・見方が分からない・関心が無い・現状から脱却する気持ちが無い・勉強しないからです。
極端な例えですが、

P(プラン)計画を練る(練る人の考えだけで決まる)
D(実行)実行します(命令するだけ)
C(チェック)感想を言うだけ。もしくは何か短期的な数値を追うだけ
A(改善)チェックが正確になされていないので特になし →次のP(プラン)も同じ人の考えで同じようなプランが決まるだけ。
この繰り返しではないでしょうか。

例えば、3日間イベントを行ったとします。
3日間の各日の稼働・売上・粗利の報告
3日間の平均稼働・売上・粗利の報告
実際のお客様の感想やホール状況の見た目の報告
成果→稼働が良かった、売上が上がった、赤字でお客様に還元出来た 等
反省→思ったより稼働が弱かった、黒字になってしまった 等
これを繰り返しますか?
そうならない為にCチェックを厳しく細かくして改善点を洗い出し、次のプランの精度を上げていきましょう。この精度を上げていく事が重要であり、今後のノウハウ、スキルに繋がります。ぜひCチェックの方法を見直してみて下さい。

7宣伝の勘違い

宣伝方法は様々です。
恐らく、何の宣伝が一番効果があるか悩んでいる事だと思います。
若年層にはSNS、年配層にはDMやチラシ、電柱や道路の看板、バスのラッピング、電車の中吊り広告・・・
業者も様々な宣伝方法を案内してきます。
若年層に出玉イベントの宣伝をした時以外は恐らく効果は薄いかと思います。
根本的に勘違いしている事は
需要が無い事を宣伝しているという事です。
若年層に向けて、出玉還元の宣伝は需要にマッチしているから反響があるのです。要は『楽してお金をあげる』事を宣伝していますよね。だから反響があるのです。反面、新台の告知はどうでしょう。入替しても既存のお客様が新台を遊戯するだけで全体の客数、稼働は上がっていませんよね。このように、宣伝は方法が問題ではなく、何を宣伝するかが重要になってきます。順番は、
1何を → 需要がある物を
2どうやって → DMかSNSか
3見た目 → 惹きつけるデザイン
です。【5様々な施策の勘違い】でも出てきましたが需要が無い事をやって、それを宣伝する事は無駄です。今一度考え直しましょう。

8安く売るのではなく、高く売る努力をしよう

キーエンスという会社をご存じでしょうか。日本一給料が高いとして有名な会社ですよね。
詳しくはわかりませんがこのキーエンスの営業利益は50%を超えます。パチンコ業界では20%で高いと言われているかと思います。しかも稼働が無いホールでは25・・・30・・・とかなり無理があり、狙っても出せないような利益率を目標にしているホールも多いかと。
原因は、客数・稼働が少ない事ですがその状況を作り出している原因は、今までの【安売り】です。【5施策の勘違い】の通り、無駄な投資をしてきた結果です。
無駄な投資とは安売りです。
繰り返しますが需要がない事にお金を使い、客数を減らしながら利益は確保しなければいけない。利益を確保するために客数を増やそうと出玉イベントで玉を出し、高額な新台を購入し、そして客数を減らしていく・・・
安く売る事は誰にでも出来ます。釘を開ける、設定を上げる、どの新台を導入するかを決める事はアルバイトでもやらせれば出来ます。
社員・管理職とアルバイトの違いは『出来る出来ない』ではなく、『やって良いか悪いか』の違いです。社員、管理職は閲覧して良い物、やって良い事、買って良い物、等を決める事が出来るという権限があるのです。この権限をフルに活用し高く売る努力をしましょう。

高く売る為には

ペットボトルのお水の値段は
スーパー  80円(大量仕入れ、お客様も買う前から目的意識をもって来る、箱買い目的等)
コンビニ 100円(手軽に、飲みたいと思ったらすぐ手に入る)
登山道  200円(お客様は登山道まで思いペットボトルを持たずに済む、水分補給は必須等)
砂漠  10,000円(生死にかかわる為)
金額は分かりやすくしたものですが、このように同じ水でも料金が違う事はご存じでしょう。理由は、お客様視点では目的意識のちがい、売る側視点では需要です。
水のストック目的のお客様はコンビニで1本ずつ買いません。スーパーで箱で買います。スーパーはそのお客様用に箱で置いておき、安く提供する為に大量仕入れをする。大量に売れるので売上は上がる。ここで重要なのはスーパーは多くの売上を上げる為安く売っている事です。パチンコホールはどうでしょう。玉を出してBOを下げ、売上が上がらないようにしています。後に客数が増えれば良いが、全く増えず。しかも同じ事を繰り返す。負のスパイラルから脱却する為に、高く売る事を心がけて下さい。
高く売る事とはもちろん売上を上げる事です。売上を上げる為には客数が増える事、増やす為には需要を供給する事です。

安く売る事は誰でも出来ますがそれでは会社は衰退していくだけです。高く売る努力をしましょう。

まとめ

  • 勘違している事は勇気をもって辞める
  • とにかく客数を増やす事を考える
  • その為に需要を探す
  • 需要を宣伝する
  • 需要を供給する